日々徒然Highmount

Highmountが感じたこと、興味をもったこと、やってみたこと、ひたすら書き込んでみる。

マクロスΔは面白くないけど面白い

マクロスシリーズの最新作として現在放送中の「マクロスΔ」だが、初見の印象では「マクロスAKB0048?」というものだった。
意外にこの印象を持った人は多いみたいで、結構AKB0048というキーワードを目にすることがある。

マクロスらしくバルキリーの空戦アクションは見どころがあるし、従来作品よりもカット割りがとてもリズミカルで映像作品としてよく出来ているという印象。
しかし、なぜか従来の作品と比べると、面白くないと感じてしまうのだ。

その理由がどこにあるのか、ちょっと考えていたのだが、ヒロイン……というか歌姫の立ち位置がすごくわかりにくいところにあるのでは?と思ったり。

主人公のハヤテ・インメルマンはわかりやすすぎる程にわかりやすい天才肌だけど、まだまだ未熟なパイロット。
今回の片方のヒロインである、ミラージュ・ファリーナ・ジーナスは、その名前からもわかるように、初代マクロスの登場人物にして、マクロス7にも登場したマックスとミリアの孫という設定。
マクロス7以来、久々にジーナス家からの登場人物だが、パイロットとしての才能はスーパーエースであった祖父母のそれを受け継いではいないらしい。
本人がそれを気にしているシーンもあるが、ハヤテが天才肌であるのに対して、ミラージュは努力型でいずれエースに成長するのだろうという道筋が非常にわかりやすい。*1
所属組織であるケイオス自体がまだいろいろ不明瞭ではあるが、マクロスFや派生作品で展開してきたS.M.S.の設定を使わないのももったいない気もする。

一方で歌姫はどうにもわかりにくい。
もう一方のヒロインであるフレイアは三河弁を喋るというのが特徴的ではあるが、そこにいるのがフレイアでなければいけない存在感を未だ放っているとは言いがたい。
ヒロインの故郷が敵対勢力になるという設定が、アイドルグループという設定と相まってやはりAKB0048を思い起こさせるのか。
ワルキューレのエースである美雲・ギンヌメールの言葉がきつすぎるために、余計に印象が良くないのもあるが、これまでの歌姫ほどの存在意義が感じられない。

登場人物に対するすっきりしなさが面白くないという印象を持たせ、マクロスならではのアクションが面白いという印象に繋がるのだろうか。

主役機であるVF-31ジークフリードは、PS3版ゲームに登場したYF-30クロノスの制式採用型という設定らしいが、一般機がダブルデルタ翼であるのに対し、Δ小隊機はYF-19/VF-19以来の前進翼になっている。
マクロスFに登場したVF-25VF-25/MF25)、VF-27、YF-29同様、YF-24系列に属する機体だが、VF-25の初登場時と比べると、主役機としてのインパクトには欠けているような気もする。

マクロス・ゼロのSV-51以来、久々にSvのコードを持つSv-262ドラケンIIIのほうが、むしろインパクトが強いという不思議。
型番の262から、メッサーシュミットMe262シュヴァルベを思い出させるが、見た目はサーブ35ドラケンがモチーフ。
初出はマクロス7マクロスFで雑魚機体として大量に出てきたVF-171ナイトメア・プラスが今回も新統合軍の主力機として出てくるが、こっちのほうがジークフリードよりも妙に存在感がある不思議。
今後VF-19やVF-25が出てくることはあるんだろうか。

空戦アクションは歴代作品に引けを取らないくらい面白いが、主役機の影が薄いのが、やっぱり面白くないという印象に少なからず影響している気がして仕方ない。

今後素直に面白いと思えるように展開していくのだろうか……

 

*1:彼女が新統合軍を辞めてケイオスに入ったきっかけの一つが叔母であるミレーヌ・ジーナスの存在故という設定も面白い。本編で明示されることはあるだろうか。