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日々徒然Highmount

Highmountが感じたこと、興味をもったこと、やってみたこと、ひたすら書き込んでみる。

TNGパトレイバーに思う

雑記 映画 オレはこう思ったんだ。

5月1日から、「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」の公開が始まった。

patlabor-nextgeneration.com

長年パトレイバーのファンをやってきた身としては、新しいパトレイバーの作品が公開されたことを喜ぶべきなのかも知れない。
が、実際のところ、かなり複雑な心境でいる。(映画自体は見たいんだけど)

 以下、人名はすべて敬称略とする。

TNGパトレイバー、すなわち実写版パトレイバーの制作が発表されたとき、正直言って「なぜ今更?」という思いがあったのが正直なところである。
その少し前、今野敏の小説「東京湾臨海署安積班」シリーズ(佐々木蔵之介主演のドラマ「ハンチョウ」シリーズの原作)の「夕暴雨」という作品に、特車二課の存在と後藤喜一の名前が出てきたことでちょっと話題になったけど、その作品の返礼的に押井守が書いたのが、「番狂わせ 警視庁警備部特殊車輌二課」なのだそうな。で、こちらには安積班シリーズの登場人物が出てくるのだとか。
(余談だが、TNGで前立腺を患っている警視総監を演じているのが今野敏なのだから、どんだけ仲いいんだこの人達ァ)
実はどちらの作品も読んでいないのだけど、近年のパトレイバーという作品にまつわる押井守という人物には不信感の方が強くて、後者の作品は手に取る気にすらなれなかった、というのが偽らざる本音ではある。

で、TNGパトレイバーはその「番狂わせ(ry」が下敷きになっているとのことで、キャラクターの設定もそちらを引っ張ってきているという。
泉野 明という名前を見て、横手美智子執筆の小説版パトレイバーに出てきた泉 野明の源氏名を思い出すが(当該のエピソードは小説版における熊耳武緒登場の話である)、番狂わせにおける泉野は男性であるのに対して、TNGは女性ということで、必ずしも同じではないようである。
イングラムのデザインも、出渕裕のデザインとは随分とかけ離れた不細工な感じになってしまっている(イングラムのデザインについて、押井と出渕でかなり深刻な諍いが生じているという話も流れているから、余計に嫌な思いをしたのだが)ことからも、あまり見たいという気持ちは起きなくなっていた。

長編劇場版公開を目前にして、短編作品についても情報を集め始めたのだけど、よくよく見て絶句した。
過去のパトレイバーのエピソードを焼き直したものばかりではないか。
OVA(アーリーデイズ)の「ロングショット」だったり、「4億5千万年の罠」だったり、TV版の「こちら特車二課」だったり、「上陸 赤いレイバー」だったり、「地下迷宮物件」だったり……あ、これ以上はキリがないな。
いっそ「特車二課壊滅す!」とか「火の七日間」をそのまま焼き直してくれた方がよっぽど良かったと思うよ。

エピソード10「暴走!赤いレイバー」は言うまでもなくTV版第9話「上陸 赤いレイバー」の焼き直しで、展開から台詞に至るまでトレースしすぎで呆れ果ててしまった。
公安の高畑はTV版ではケルベロスサーガの室戸文明のような姿だったが、TNGの高畑は高島礼子になってて、かなり悪い冗談だと感じた。

そしてTNGパトレイバー2の世界の後年に連なる話であるとのことで、短編版最終エピソードかつ長編版のプロローグには、南雲しのぶと柘植行人が登場し、後藤喜一もその存在を仄めかす形で登場する。
(ちなみに、荒川茂樹の中の人である、竹中直人TNGに出てきてるのが笑える)
南雲隊長は演者と声が別人(CV:榊原良子)だそうで、長編版で声を聴けるようだが、柘植は根津甚八が俳優を引退していることもあり、別の人が演じている。
今回の長編は「機動警察パトレイバー2 The Movie」で描かれた幻の戦争、TOKYO WARの再演だというのだから、再び絶句してしまった。

更に言えば、TOKYO WARにLIVE ACTION MOVIEを足しちゃったあたりからして、言葉を失ってしまったのである。

いくつかのエピソードを見て、筧利夫演じる後藤田隊長と、真野恵里菜演じる泉野 明は違和感がなくなったが、他の隊員の違和感は未だもって消えない。(カーシャはそもそも香貫花とも熊耳とも異なるキャラクターと認知してるから、別物として見てるけども)
むしろ真野恵里菜が思っていた以上によく演じてると思っていて、彼女であればひょっとすると泉 野明を演じることも出来たのではないか、とすら思っている。
千葉繁演じるシバシゲオ、否、シバシゲオたる千葉繁は、この人でなければこの役はできない、むしろ第三者がシゲさんを演じるということが想像できないレベルでドはまりしているのだから、これはこれでいいものを見ることが出来たとは思っている。

しかしシゲさんが榊のおやっさんの名台詞「ダラダラしてるヤツぁ、海へ叩っ込むぞ!」を叫ぶ姿には、ひっくり返ってしまったのだが。

旧作のパトレイバーを一切切り離したうえで、ただの娯楽作品として楽しむという意味では、首都決戦は是非見たい映画である。(そのうえで、パトレイバー2との繋がりは非常に抵抗感を覚える要素である)
しかし、これまでのパトレイバーの歴史を見てきたファンの一人としては、TNGパトレイバーという映像作品にはあまり快いものを感じる事が出来ないというのが本音。

長年ファンをやってきた身としては、こんなボロクソに否定的なことばかり書きたくなかった。
ファンとして、「実写版決定イヤッホォォォォゥ!!!!」って言いたかったよ、本当は。
どうしてこうなった……